管理組合の法人化するメリット
管理組合を法人化すると、法律上、権利能力が認められるので管理組合が契約当事者になることが出来ます。
たとえば、管理組合法人名義で銀行口座の開設ができるようになり、マンション管理をしていくうえで隣地や空き地等を管理組合で取得する費用が生じた場合など、管理組合を法人化しておけば隣地や空き地等を法人名義で登記することができ、団地財産の存在が法的に認められることになります。
【理事長が矢面に立たずに済むメリット】
管理組合が訴訟をしたり、提起されたりする場合、法人化されていない管理組合では管理者
(理事長)が訴訟を追行することになりますが、管理組合が法人化されている場合は、
管理組合法人が訴訟を追行する形になります。
管理組合が行う法的措置では、理事長が権利義務の主体となっておこなわなければならないことが多く、管理組合が法人化されていると理事長個人が矢面に立たずに済み、理事長の精神的負担を軽減することが出来ます。
【登記が必要】
一方デメリットとしては、理事長が後退したとき、2週間以内に法務局で登記の変更を行う必要が有ることです。
登記又は登記の変更は、登録免許料は不要ですが、司法書士等の専門家に依頼する場合には報酬の支払いが必要となります。
【理事のなり手不足に対応】
理事のなり手が少ないケースでは、少人数の理事で管理組合を運営せざるを得なくなるため、管理組合を法人化しておくのも選択肢の一つとなります。その場合、数名の理事が共同して法人を代表すべきことを規約に定めておくか、今迄通り総会で理事を選任し、理事会で法人を代表する理事を定める方法か、いずれでも構いません。
その場合、規約には「理事長および副理事長は、区分所有法第49条第4項に定める管理組合法人を代表する理事として、その旨を登記する」を加えておきます。
法人化された管理組合でも理事長の業務(総会の招集や総会の議長、議事録の作成、保管および閲覧の承認など)は、これまでどおりの管理者(理事長)が行ってきたときと変わりません。ただし、損害保険契約に基づく代理権は、管理者(理事長)ではなく管理組合法人に移ります。