マンション専有部におけるトラブルは、法的な措置では完全に解決できないケースが多々あります。
近隣の騒音がうるさい!どうすれば良いか?
「上階のテレビやステレオの音がうるさい」
「用事が足りまわる音で夜も寝れない」
上記事例はマンションにおける騒音トラブルの代表的なものでしょう。
(必要な対応)
マンションにおける騒音トラブルを解決する際重要なことは、「当事者同士で交渉をしないこと」です。騒音はお互いにとってデリケートな問題であるために、双方が感情的になってしまいさらなるトラブルに発展することがあるからです。管理会社に相談したり、管理組合に提議するなど、第三者を巻き込むように工夫しましょう。
それでも解決しない場合は、法的手段を行使することが選択肢となります。判例では、用事が家の中を走り回る50~65デシベルの音が原因で不眠症になった事例で、損害賠償が認められています。健康被害があるなどの実際の損害を受けている場合には、弁護士に相談しましょう。
管理規約に反してペットを飼っている住民がいたら?
「ペット禁止の管理規約に反してペットを飼っている住民がいて迷惑」
上記ケースもマンションのトラブルで多くみられます。ペットは、飼い主や動物が好きな人にとっては可愛いものですが、そうでない人にとっては鳴き声・吠え声や抜け毛、臭いが迷惑なものとなります。
(必要な対応)
規約違反のペット飼育についての判例、上階で飼われている犬の吠え声で不眠症になったとして、健康被害の損害賠償とペット飼育禁止を求めて争われたものがあります。裁判所は、不眠症の損害賠償として100万円を命じたが、ペット飼育禁止について「犬の飼育や騒音で占有権までが侵害れたとはいえない」と請求を退けました。よって、ペットの飼育に関しては管理規約で
・ペットの飼育は専有部分のみでおこなう
・共用部分ではペットを抱えるゲージに入れる
・運動不足などによる無駄吠えを適切に防止する
などのルールを定めうえで、飼育を認めることも選択肢でしょう。
住民が暴力団だったら追放できる?
「マンションの住民が暴力団だった。追放したい」
上記―スは、マンショントラブルで比較的多く見受けられます。マンションは構造が堅牢で住民同士が比較的干渉せず、対立組織から襲撃を受けた場合も住民を盾にできることから、暴力団の格好の隠れ家になっていると言われます。マンションの管理規約に「暴力団禁止」が明文化れていれば、それを元に退去の請求がおこなえます。また、仮に明文化されていなくても、区分所有法で定める「共同の利益反する行為」として、暴力団に退去の請求をおこなえます。
また、管理組合総会の特別決議を経ることで、専有部分の使用禁止請求を訴訟にり求めることもきます。