ひとたび一定規模の地震が発生すると、企業は建物・設備などに被害を受けるだけでなく、社会的インフラ、サプライチェーンの寸断による売上減少や営業継続のための急な出費に見舞われ、当座の運転資金の確保が重要であることが東日本大震災を契機に再認識されました。
政府の地震調査委員会においても、震度6弱の地震発生確率が全国的に高まっていることが指摘されており、地震が企業経営に多大な被害をもたらす可能性が高まっているため、より地震発生頻度が高い、震度6弱を対象としたBCP地震補償保険を企業の地震保険としておすすめします。
■BCP(事業継続計画)とは
企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
緊急事態は突然発生します。有効な手を打つことがきでなければ、特に中小企業は、経営基盤の脆弱なため、廃業に追い込まれるおそれがあります。また、事業を縮小し従業員を解雇しなければならない状況も考えられます。
緊急時に倒産や事業縮小を余儀なくされないためには、平常時からBCPを周到に準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要となります。こうした企業は、顧客の信用を維持し、市場関係者から高い評価を受けることとなり、株主にとって企業価値の維持・向上につながるのです。(中小企業庁指針抜粋)
地震の影響を受けやすい業種
◇地震が発生すると客足が途絶える業種。
◇顧客がダメージを受けることによって減収する業種。
ホテル・旅館業、娯楽産業(パチンコ・スロット業界含む)、結婚式場、運送業、小売業等
地震の影響を受けやすい操業形態
◇対象地域に自社の機械設備が集中している企業
◇対象地域に原材料・部品等の仕入先が集中している企業
◇対象地域に納入先が集中している企業
その他に地震の影響を受ける企業その他に地震の影響を受ける企業
◇株式公開・上場を予定している企業
◇過去に地震で罹災した企業
火災保険および地震拡張担保特約等の財物補償では、災害時の企業資産の保全は図れますが、収益の減少には対応できません。地震発生による損害とはいえ、当期大幅減益では取引金融機関や株主から厳しい追及を受ける可能性もあります。
地震による収益減少のダメージから早期に脱却するために、営業継続費用を確保するための企業の地震保険をご検討されてください。
BCP(事業継続計画)地震補償保険は大地震発生時に経営を守る企業の地震保険です。
① ご契約時にご指定いただいた震度計で震度6弱以上の地震(以下、「特定地震」といいます。)が発生し(※1)、その地震損害(※2)によりお客さまの事業が休止・阻害されたことにより生じる損失について保険金をお支払いします。
② 特定地震が発生した場合、損失が確定する前に保険金の仮払い(※3)ができますので大地震発生時の事業継続対策に最適です
③ 自社施設に損傷がない場合でも、休業損失が発生すれば補償の対象となります。(地震損害で原材料の納入企業等の取引先が営業休止した場合や、インフラが停止したり、道路が遮断された場合など。) (※4)
④ 建物の築年や構造級別に関係なく保険加入が可能です。
(※1)72時間以内に生じた2つ以上の地震 | 72時間以内に生じた2つ以上の地震は、これらを一括して1回の地震とみなします。(被災地域が全く重複しない場合を除きます。) |
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(※2)地震損害とは | 地震損害とは、特定地震によって生じた、火災・破裂または爆発による損害、損壊・埋没等の損害、津波・洪水その他の水災による損害をいいます。 |
(※3)仮払いの精算 | 実際に保険金をお支払いする損失の額が仮払金よりも少ない場合は、その差額を精算していただきます。 |
(※4)保険の対象 | 以下の物件が保険の対象となります。 ① 被保険者が所有または使用する営業に直接関係する保険証券記載の敷地内に所在する建物もしくは構築物(以下「建物等」といいます。)または什器、機械、設備、原材料もしくは製品 ② 上記①の建物等に原材料等を直接供給する者または①の建物等から製品等を直接受け入れる者の占有する物件 |
特定地震が発生し、次の事由により営業が休止または阻害されたために生じる損失に対して保険金をお支払いします。
自社施設の損壊による営業停止
取引先の罹(り)災による営業停止
電気・水道ガス・通信等のインフラ停止
交通の遮断による流通停止
お客さまの損失とは
・喪失利益
・収益減少防止費用
・営業継続費用
事業継続支援機能
特定地震が発生した場合、保険金請求の手続きをした日から30日以内に次の金額を『仮払い』します 。
① 震度6弱または6強の場合・・・ご契約金額の30%
② 震度7の場合 ・・・・・・・・ ご契約金額の100%
地震発生の場合、急な出費と売上減少から、短期的にはキャッシュフローの悪化を招くことが予想されます。そのため、この保険は地震発生後保険金請求の手続きをした日から30日以内に保険金を仮払いします。
これは特定地震が発生した時点で、損害の程度にかかわらず、ご契約金額(保険金額)に上記①※または②に記載の割合を乗算した金額を仮保険金として支払うという制度です。
このしくみにより、保険金を当座の運転資金としてご活用いただけますので、キャッシュフローの悪化を防ぎ、事業の継続が可能となります。
※①のうち震度6弱の場合は、被保険者の申告に基づいて仮払金の金額を定めます。
(注)なお、てん補期間終了後1か月以内に地震による損失が発生したことを証明する資料を提出していただきます。
法人のみ(個人、個人事業主の方はご加入いただけません。)
◆保険期間:5年(5年契約のみとなります。)
◆てん補期間(保険金のお支払の対象となる期間):保険金のお支払要件に該当する地震発生の日から収益復旧日まで(ただし、12か月が限度となります。)
ご契約金額(保険金額)=1口100万円×加入口数になります。
年間保険料=1口あたりの保険料×加入口数で算出します。
◆保険料の支払方法は5年長期年払のみとなります(毎年1回の5回払い)
◆加入口数は1口以上20口以下で、かつ、ご契約金額(保険金額)が年間の営業収益(売上または生産高)に利益率(※)を乗じた額の20%以下となるように口数をご設定ください。
(※)利益率とは、営業利益に固定費を加えた額の年間営業収益に対する割合をいいます。
保険料例
① 神奈川県横浜市中区山手(観測点所在地:横浜地方気象台)の場合
ご契約金額 200万円(2口) 年間保険料8万円
② 東京都新宿区西新宿(観測点所在地:工学院大学新宿キャンパス)の場合
ご契約金額 300万円(3口) 年間保険料14.7万円
③ 大阪市中央区大手前(観測点所在地:大阪管区気象台)の場合
ご契約金額 500万円(5口) 年間保険料16万円
④ 高知県室戸市室戸岬町(観測点所在地)の場合
ご契約金額1,000万円(10口)年間保険料 52万円
保険料の算出には震度計をご指定ください。
震度観測点名称【例 東京新宿区西新宿 】
観測点所在地【例 新宿区西新宿1-24-2(工学院大学新宿キャンパス) 】
※震度計のご指定とは、地震発生時に震度を観測する地点の名称(震度観測点名称)と観測点所在地をご指定いただくことをいいます。 気象庁震度観測点一覧表はこちら
※地震発生時から15日経過時点で得られる気象庁が発表する最新の週間地震・火山概況(以下、「週報」といいます。)により震度が発表されなかった場合は、対象震度観測点における最新の震度をもって対象震度観測点における震度とみなします。
対象震度観測点の震度が発表されなかった場合は、気象庁が発表した震度観測点のうち対象震度観測点に水平距離で最も近い震度観測点における最新の震度を対象震度観測点における震度とみなします。
ただし、地震発生後15日経過時点における週報で対象震度観測点の震度が発表されなかった場合で、かつ、地震・火山月報(防災編)にて発表した対象震度観測点における震度が対象震度(震度6弱以上)である場合は、保険金支払いの対象となる地震が発生したものとみなします。
◆上記に記載された特定地震以外の地震による休業損失
◆特定地震以外の事由に起因する火災、破裂・爆発による休業損失
◆保険の対象の復旧または営業の継続に対する妨害 など
★この保険は地震等により生じた物的損害を補償する保険ではありません。
●「BCP地震補償保険(ステップアッププラン)」は、「火災保険普通保険約款(利益保険・営業継続費用保険用)」に「利益保険特約」「特定地震危険のみ補償特約」「震度計方式への変更追加特約(ステップアッププラン用) 」「保険料長期年払特約」をセットした商品のペットネームです。
●保険金のお支払いが確定した場合、この保険は保険金をお支払いする原因となった地震の発生したときに終了します。
このBCP地震補償保険以外に、地震の規模(マグニチュード)と震源の深さで保険金のお支払いをする特定地震危険補償利益保険や建物や設備などの自社施設の物的損傷を補償する地震危険補償特約(地震拡張担保特約)もございます。こちらもご検討くださいませ。
※この内容は各保険の概要についてご紹介したものです。
ご契約にあたっては必ず各社商品パンフレットおよび「重要事項のご説明 契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」をあわせてご覧ください。また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款,特約)」をご用意していますので、取扱代理店または引受保険会社までご請求ください。ご不明な点につきましては、取扱代理店または引受保険会社にお問合わせください。なお、引受保険会社、保険商品により引受可能な条件等は異なる場合があります。